嵯峨野・嵐山徘徊。(京都・奈良放浪記三日目−2)
※直指庵の風景。

大覚寺を後にして、チャリをこぐ。
木漏れ日しか当たってないはずなのに、それがまたひりひりする。
相当焼けたんだな・・・昨日。
なんとなく地図は見ていたけど、喋りたいがために駐車場にいたおばちゃんに話しかけてみる。
「直指庵は、大覚寺の裏走っていれば看板で矢印があるよー」
って教えてくれた。
おばちゃんの言うとおり、看板が出ていたので助かった。
ちょっと坂になっていたけれど、昨日の奈良に比べたら軽いものだ。
しかも、今日はギアがついてる。。。

でも、このギア・・・自分が今まで普通だと思っていたのと違うんです。。。
だって、ギアの切り替えでボタン(?)押すと重くなる(『速』ってやつ。)のが普通だと思っていたんだけど、このチャリはめちゃくちゃ軽くなるんです。
だから、ちょっとスピードに乗ってきたから『速』に切り替えよう♪
って思ってギアをいつもどおりに切り替えるといきなり足が空回りします。
そのせいで今日何回泣いたことか覚えていませんが・・・。

直指庵についたが、チャリ置くところがわからない。
ってことで適当に邪魔にならなそうなところへ停めて入る。
拝観受付っぽいところには人がいなかった。
中で職員に払ってください的文章があったのでとりあえず侵入。
ちょっとそこらへんを歩いているだけで人が少なくて、陽射しがそこまで強くなくて、涼しくてすごく気持ちが落ち着いた。
少し歩いていると庵に近づいてきた。
ん?子どもの声がするよ?
すっげーめじゃーなところしか修学旅行生って回らないんじゃないかな?
・・・ってか小学生っぽい?
とか思いながら庵に近づくと40代後半か50代前半くらいかな〜って思う女性がほうきとチリトリ、袋を持って出てきた。

「こんにちはー。拝観受付ってどうすればいいですか〜?」

「あー、ごめんなさいねー。今の時期は暇やからじっとしてられなくてー」

「団体さんでも来てるんですかー?」

「そうそう。地元の小学生が来はってるんよー。
 もうちょっとしたら帰りはると思うから、お庭回ったらいいかも。」


「そうですねー。ちょっとぐるっとしてみますー」

ってお金払ってから徘徊。
ぼけーっと見てたら観音様とかお墓とか結構あった。
高台ではないけど、そんな風になっているところでぼけーっとしてたら、
さっきのおばちゃんが掃除をしにきた。

「台風の影響で雨いっぱい降ってはったからねー
 ここらへん汚いやろー、お掃除せな。」


「やっぱり、台風の影響すごかったんですか?」

「雨はすごかったけど、TVでやっているほどじゃなかったかな。
 京都は盆地やから結構強いんよー。」


「そうですよねー。昔都になっていたのはやっぱり
 自然に強いところがあるからですかねー。」


「そうやろなー。オネエサンひとりで来はったん?」

「そうです^^行きは18切符を使って『ムーンライトながら』で
 岐阜の大垣まで。その後奈良を回って京都にきました。」


「そうなんやー?この時期は紅葉のときほど混まないけれど、深緑でキレイなんよ。
 私は今の時期のほうが好きなんよ。」


「そうですよね。真っ赤なのもキレイだけど、あたしも深緑の時期好きですよ。」

「ココは結構色づく時期が違うものもあって、
 緑から、赤、黄色みたいにいろいろ見られる時期もあるんよ。」


「へ〜♪そんな時期に来て見たいです〜。」

「人がぎょーさん来はるけど、また来るとええよ^^」

ってな感じでいろいろ言葉を交わしていた。
↑で書いた言葉はちょっと違うところもあるかもしれないけど、
京都の上品なおばちゃんの喋りってなんか好きだわ。
話していて、本当に癒される。
しかも、ここの職員のおばちゃんは本当にかわいいおばちゃんで、
優しい雰囲気を醸し出していて話せて嬉しかった。

少し徘徊してから庵へ行くと小学生とかがまだいた。
ゆっくりできなかったかといわれるとそうでもなく、『想い出草ノート』というものを書く場所があって、そこで結構ゆっくりした。
いろんな人がいろんなことを書いていて、気持ちの整理をしていたのかなって思った。
自分には日記があるから、そこで結構いろいろ吐き出しているけどね。

直指庵は
雨の日に訪れるのがいい
濡れそぼる竹林の緑が目にしみて
庭に降りそそぐ雨音が心にしみるから
直指庵は
晴れた日に訪れるのがいい
縁先から見える嵯峨野の空が目にしみて
風にそよぐ葉ずれの音が心にしみるから
直指庵は
もやの日に訪れるのがいい
直指庵は
雪の日に訪れるのがいい
直指庵は
耐え切れない悲しみをひきずって
ひとりで訪れるのがいい
直指庵は
かかえ切れない幸せを抱きしめて
ふたりで訪れるのがいい
直指庵は
いつの日も 心のふるさと・・・

詩人 藤 公之介

確かに何度か来ている京都の中でココロのふるさとになりそうな感じがした。 
  
 

直指庵のおばちゃんに御朱印をいただいて、出発。
次はどうしよう・・・。
化野念仏寺に行ってみましょう。
大勢でわいわい参拝するような感じではないと思っていたので、
今まで行ったことはなかったし・・・。
行ってみるとやはり静かなところでした。
水子の供養だとか、無縁仏の供養をしている場所ともあって
写真バシャバシャ撮る気は普通起こらないな・・・って思っているところに
ガシャガシャとシャッター音が聞こえた。
外国人が撮影禁止のところでめっちゃ撮ってました。
一応、カタコト英語とジェスチャーで注意してみたけど、あんまり伝わってなかったみたいね。
外国人にとっては日本のことって新鮮なのかもしれないけれど、石仏とかがあるところは撮影禁止地だったのにね。
もうちょっと、ちゃんと伝わるような説明ができたらよかったな。


化野念仏寺でも、詩のようなものがあった。
豆腐

信仰はお豆腐のようになることで
豆腐は煮られてもよし
焼かれてもよし揚げられてもよし
生で、冷奴でご飯の菜によし
湯豆腐で一杯酒のさかなによし
柔くて老人病人のお気に入り
子供や若いものからも好かれる
男によし女によし
貧乏人によし金持によし
平民的であって気品もあり
上流へも好かれる
行儀よく切つて吸物となり
精進料理によし
握りつぶして味噌汁の身となり
家庭料理に向く
四時春夏秋冬いつでも使われ
安価であつてご馳走の一つに数えられ
山間に都会に・・・ドコでも歓迎せられる
貴顕や外客の招宴にも迎えられ
簡単なる学生の自炊生活にも喜ばれる
女は特に豆腐のようでなければいかぬ
徹した人は豆腐の如く柔かくてしかも形を崩さぬ
味がないようで味があり
平凡に見えて非凡


・・・あたしも豆腐のような女になりたい。。。

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